２作目で化けたホセ・アルマルチャ。アンダルシア人でないことを逆手に取ったしたたかな傑作！
84年ラ・マンチャ地方のシウダー・レアル県出身のギタリスト、ホセ・アルマルチャは37歳。大変幼い頃からフラメンコ・ギターを始め、地元のコンセルバトリオでクラシック・ギターも習得した。長じてコルドバのコンセルバトリオでパコ・セラーノ、マノロ・フランコ、ニーニョ・デ・プーラに師事した。07年には、ムルシアのニーニョ・リカルド国際フラメンコ・ギター・コンクールで優勝している。本作はその彼の2作目で、大きく化けている。マラゲーニャではそのエッセンスを残しつつバックコーラスをトレモロと絡めるなど極めてスケールの大きい演奏になっている。サパテアードでは2拍子の中に3拍子のブレリアをぶち込むなど劇的な展開。シギリージャではリズムをインテンポに設定した上での自由なフレージングが面白い。一方サビーカスのミロンガでは、それを下敷きにしつつも彼独自のバリエーションを展開し、素晴らしい。ホセ・アルマルチャはアンダルシア生まれではないが、むしろアンダルシア人でないことを逆手に取ったしたたかな作品がこれである。全9曲。
Cerro Picorzo(zapateado)/Tangos de las Vinalias(tangos)/Petricor(guajira)/Alejandra(malaguena)/Maestro Sabicas(milonga flamenca)/A Cata(taranta) /Komorebi(seguiriya)/Alamares(cantes de la madruga)/Venta Borondo(bulerias)